グルメリポートvol.8 伝統和菓子「芭蕉庵」の羊羹

「和の芭蕉庵、洋のモーツァルト」―。岡山に住む人なら一度は耳にしたことがあるかもしれません。岡山から手土産を持参する際、和菓子なら「芭蕉庵」、洋菓子なら「モーツァルト」にしておけば間違いはないという意味で使われているようです。

旭川

「芭蕉庵」は言わずと知れた、明治42年創業の岡山を代表する和菓子の名店です。名菓「旭川」は、料理記者・岸朝子さんも「五つ星の手土産」として著書の中でご紹介されています。

紅羊羹

名菓揃いの芭蕉庵の和菓子の中でも、私の一番のお気に入りは、羊羹です。最高級の備中白小豆(混ぜ物のないもの)を使用した「紅羊羹」のほか、大栗を丸ごと使用し、どこを切っても栗のある「栗羊羹」、大粒の赤小豆を散りばめた「天目羊羹」、そして、しっとりとした程よい甘さが特徴の「煉羊羹」があります。

そのツヤツヤとした表面に包丁の刃をあてると、密度の濃いずっしりとした感触が手に伝わってきます。一口食すと、なめらかな食感が舌の上に広がり、続いて濃厚なのに甘すぎない小豆本来の味わいが口の中を快く満たしてくれます。

大切な方への贈り物にはもちろんのこと、自分へのご褒美として至福の時を味わわれてみては如何でしょうか。

岡山市北区表町1丁目9−62
☎086-222-5516