戦国の面影を訪ねて~金川城跡(後編)

先週、本丸まで行けずに断念した金川城を制覇するため、再びチャレンジ。天気もよく、絶好の城トレ日和です。
今回は、逆のルート(道林寺丸横)から登城することにしました。s-P1050089かなり険しい傾斜の石段がずっと続いています。もしかすると、前回のルートより厳しいかも…。
すでに息が上がり、足が痛くなってきました。果たして上まで行けるんだろうかと不安になりつつも歩みを進めます。

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くじけそうになりながら20分ほど登ると、「道林寺丸跡」に到着。金川の街並みが眼下に広がり、ホッと一息つけます。
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さらに歩くこと約10分。ついに「本丸跡」の掲示板が表れました。
ふいに、ガサガサッという音が聞こえてドキリ。
身構えると、年配のご夫婦が降りてこられるところでした。
失礼にも、イノシシかと思ってしまい、こわばった笑顔であいさつを交わします。
前回誰とも会わなかったことを考えると、人に会えてちょっと安心しました。
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聞こえてくるのは、相変わらず、絶え間ない銃声の音。でも、これは山のふもとにあるクレー射撃場からの音だと分かっているので、今回はビビりません。
ん? でも、聞きようによっては、城を守る火縄銃の音に聞こえなくもない。少し背筋が寒くなります。ダメだ、余計なことは考えないようにしよう。頭を振って歩みを進めます。
そして、ついに本丸跡に到着。
前回のリベンジを果たせました。
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 本丸跡には大きな石がゴロゴロしていました。もしかすると、石垣に使われた石なのでしょうか。
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本丸でしばし感慨にふけったあと、「天守の井戸」の看板があったので行ってみることに。
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こ、これは…、井戸!?
直径約5m、深さ約10m以上はあるでしょうか。あまりの巨大さに恐怖を覚えます。井戸というより、黄泉の国への入り口なのでは…。
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 ギリギリの淵に立って、おそるおそる中を覗き込んでみると、足がすくみます。
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気を取り直して少し進むと、「北の丸」の看板が出てきました。でも、ここから先はパンフレットに載っていない道です。もうちょっとだけ行ってみようかな…。ここからは、看板だけが頼りです。
急に道が、けもの道のようになってきました。
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写真では分かりづらいですが、片側は急斜面になっていて、足を踏み外すとかなり下まで滑り落ちてしまいそうです。
落下の恐怖と闘いながら、ようやく北の丸に到着。本丸や二の丸のように木が伐採されておらず、うっそうとしています。木々の間を縫うように進んでいくと、どこから来たのかよく分からなくなってきました。
あれ!?どっちから来たんだっけ?
一気に恐怖が湧き上がってきました。もしかして遭難…、でも大丈夫、最悪の場合、携帯の電波も届いてるし、と気持ちを落ち着かせます。
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なんとか来た道に戻れたので、その先の、「堀切(山の尾根と城域のあいだを仕切るために用いた堀)」まで行ってみました。
堀切には、敵の侵入を防ぐ目的があったようです。
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一応、目標も達成し、城跡の端っこまで来れたようなので、引き返すことに。
帰りは景色にも目もくれず、何かから逃げるように猛ダッシュで下山。
一息ついて、改めて山を見上げます。
こんな山の中で、一族の命運を懸けた壮絶な戦いが繰り広げられていたんだ…。
ふいに吹き付けた冷たい風が、木の枝をカサカサと揺らし、汗ばんだ首筋の横をヒュウヒュウと吹き抜けていきました。