すっかり、秋の気候となり、夜は静かに秋の虫の声が聞こえてきます。季節が移り変わりゆく瞬間です。
9月9日から、高松市美術館では、『鏑木清方展』が始まりました。日本三大美人画家の一人で、没後45年。四国では、初の展覧会です。この方を知ったのは、昨年に行きました東京旅行で、雅叙園に立ち寄ったのがきっかけです。「清方の間」という部屋があり、着物を着た女性たちが描かれ、上村松園に似た画風で、ほっそりとした美人画。9月9日の開催日を記念して、講演会があり参加してみました。『清方の生涯とその作品』講師は、美術評論家・島田康寛氏。奈良県からお越しでした。絵画についての講演会は、判り易く、知らないことを色々と知る事が出来ました。伊藤深水は、清方の弟子で、晩年には、清方の絵の模倣画を描かせていたとか。樋口一葉の有名な「たけくらべ」の挿絵は、清方が描いたものだそうです。普段の生活に馴染んだ上村松園は、はんなり京女を多く描き、鏑木清方は、江戸の粋な女性を多く描いたということでした。
秋の良き季節に、美術鑑賞も、いい時間の過ごし方だと感じます。
~鏑木清方について~
明治から昭和にわたって活躍し、美人画に独自の画境を切り拓いた近代日本画を代表する画家として広く知られています。13歳のとき日本画家の水野年方に入門し、挿絵画家としてその画業をスタートし成功を収めます。その後、本画制作に向かい、文壇などの展覧会において評価を得、画壇の中心画家として活躍しました。また、昭和初期からはあらたに肖像画の分野にも取り組み、人物の内面までもを画面に写し出した作品を残しました。
高松市美術館にて 10月15日(日)まで。9:30~19:00。
月曜日休館 入場料¥1000-