昨年、林原美術館所蔵の「石谷家(いしがいけ)文書」から、本能寺の変にかかわる長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)の書状などが発見され、「歴史をくつがえす大発見」と話題になりました。
なぜ、明智光秀は主君である織田信長を討ったのか。
「怨恨説」「黒幕説」「四国説」など様々な説がありますが、いずれも決め手を欠き、光秀の動機は大きな謎となっていました。ところが、今回発見された書状からは、土佐の戦国大名・長宗我部元親と、明智光秀の緊密な関係が明らかとなり、戦国最大の謎が明らかになろうとしています。
その「石谷家文書」に関連した講演会が、岡山県立博物館で開かれると聞きつけ、興味津々で行ってきました。
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午前中はイオン岡山で映画を鑑賞。朝早い時間でしたが、人気アニメの影響か、大勢の人が訪れていました。
イオンから県立博物館までは、いま話題の「ももちゃり」を利用してみることに。ついに、ももちゃりデビュー!
ももちゃりを利用するには、まず端末機に名前と携帯番号を入力して登録をします。
すると、携帯電話にショートメールでパスワードが届きます。
そのパスワードを端末機に入力して、ICOCAやHarecaなどのICカード、もしくは専用カードをかざすと登録完了。
けっこう簡単でした。
料金(一時間以内100円)を入れて好きな自転車を選び、センサーにカードをかざすと、カチャと音がして自転車のロックが外れます。
久しぶりの自転車。ちょっとふらつきながら、颯爽とペダルをこぎます。
空気は少し冷たいけど、風を切りながらスイスイ進む感じは、気持ちいい。
お昼時だったので、イオンと県立博物館の中間地点にある「金八ラーメン」で昼食。岡山でラーメンといえば、この名店は外せないでしょう。超久しぶり♪
う~ん、とろっとろの角煮が口の中でホロホロほどけて、やっぱりうま~い。
そして、急いで昼食を終え、後楽園沿いの景色を眺めながら目的地に向かいます。
講演開始時間のギリギリに到着。久しぶりに自転車に乗って、急いだせいか息が上がって汗だくになりました。
なんとか間に合い、講演会場に駆け込むと、すでに席はいっぱい。一席も空いてなく、立ち見の人もたくさんいます。ざっと200人近くはいるでしょうか。
『天下人と長宗我部元親』と題した講演では、「石谷家(いしがいけ)文書」から判明した数々の発見について、高知大学人文学部 教授の津野倫明さんから解説がありました。
歴史ファンと思われる方々が、熱心にメモを取られていました。この暑さはみなさんの熱気のせいでしょうか。ひとり汗をタラタラ流しながら、メモとハンカチを交互に持ちかえながら、お話しに耳を傾けました。
講演によると…、
長宗我部元親と親戚同然の間柄だった明智光秀は、政治的にも密接な関係を結んでいました。
ところが、元親の四国制覇が確実となったことで、信長はこれに脅威を感じ始めます。今まで四国制覇を容認していた態度を一変、四国を自分に差し出すよう要求。しかし元親は、苦労して獲得した領土をむざむざ手放す気はなく、信長にNOを突き付けます。
事態を収拾するため間に入った光秀は、元親を必死に説得しようと奔走します。
一度は信長にNOを付き付けた元親も、光秀の必死の説得のかいあってか、一転、譲歩の道を探り始めます。今回発見された書状には、「せめて土佐に近い2つの城と周辺の土地だけは領土として認めて頂けないでしょうか」という元親の記述があり、信長に領地を保証してもらいたいと懇願している様子がうかがえます。
光秀は、この元親の譲歩によって事態は収拾すると安堵します。しかし、事態は好転するどころか、悪化の一途をたどります。信長は、元親の意思に関わりなく、四国攻めを決定。兵をあげるよう、指示します。
もはや光秀に残された道は2つに1つ。親戚同然の元親を見殺しにするか。信長の四国攻めを自らの手で阻止するか。
そして光秀は、後者の道を選んだのです。
講師の津野倫明さんは、「本能寺の変に至った光秀の動機は、ほかにも原因はあると思いますが、『四国説』が一因だったことは確かです」と話されていました。
戦国ファンならずとも、真相が気になる歴史ミステリー。今回発見された書状はまだ調査段階とのことで、今後も新事実が明らかになっていくのかもしれません。