戦国の面影を訪ねて~金川城跡(前編)

大河ドラマ「軍師官兵衛」の影響で、戦国時代に急に興味を持ちました。日本中の戦国大名が群雄割拠していた時代、今の岡山県にあたる地域でも、激しい国取り合戦が繰り広げられていたようです。

家の近所にある金川城跡(岡山市北区御津金川)も、激戦の舞台となった場所です。備前の地に勢力を広げていた松田氏の居城で、永禄11年(1568)、宇喜多直家によって落城しました。

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現在の岡山県にあたる地域では、中小勢力が乱立していた。中央付近に金川城がある。
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1568年、宇喜多直家は金川城を攻略。
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宇喜多直家は高田城を攻略し、三浦氏を滅ぼす。
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宇喜多氏が岡山県一帯を支配する。

金川城跡は、現在、「臥竜山(がりゅうざん)自然公園」として整備されていて、160haに及ぶ国有林の一部になっています。
登り口に置かれていたパンフレットによると、「遊歩道には、総数1,764段の階段が設けられていて、自分の体力を試すことができる」とのこと。
1,764段と聞いて少しためらいましたが、意を決して登ってみます。
自然公園というだけあって、予想していたよりも、きれいに整備されています。でも人っ子一人おらず、行けども行けども階段が続いていて、少し怖くなってきました。
何度か引き返そうとか思いつつ、もう少しだけ行ってみようと気力を振り絞って歩みを進めます。
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かすかな物音にビクビク怯えつつ、30分ほど歩いたでしょうか、少し開けた場所に出ました。「二の丸」の看板がある場所にはベンチが設置してあり、金川の街並みが見渡せるようになっています。

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このまま本丸までもうひと踏ん張りと思った矢先、「ドーン、ドーン」という音が聞こえてきました。
なんだろう?工事の音かな?いや、どうも猟銃のような音だと気付きました。

もしかして近くで猟をしているのかも。別の山から聞こえるような気もしますが、音が山に響いてどこから聞こえてくるのか今ひとつ定かでありません。もし、間違われて撃たれたり、流れ弾に当たったらどうしようと思うと急に怖くなり、引き返すことにしました。恐怖が頂点に達し、イノシシの鼻息も聞こえた気さえしてきました。
帰りは逃げるように小走りになって、無事下山。真冬なのに汗びっしょりでした。

家に帰って、今日あったことを家族に報告すると、「あの辺にはクレー射撃場があるんよ」とのこと。なんだ、射撃場からの音だったのか…。
そうと分かれば、今度こそ本丸までリベンジです。
家の近所でプチ冒険を味わえた一日でした。

※参照資料「戦国大名 勢力変換地図」(日本実業出版社)

初もうで

1月3日に、最上稲荷(岡山市北区高松稲荷)に初もうでに行ってきました。朝7時30分に到着しましたが、すでにかなりの人が参拝に訪れていました。

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朝もやに包まれた境内は、おごそかな雰囲気。

冷たく澄んだ空気に包まれた境内を歩くと、背筋がピンと伸びるような気持ちになります。早速お参りし、今年一年を占うおみくじに挑戦。昨年は「凶」が出たので、今年はどうかなとヒヤヒヤしながらクジを引くと「吉」が出ました。

おみくじの順番は寺社によって異なるそうですが、最上稲荷の場合、「大吉」「吉」「半吉」「凶」「半凶」「大凶」の順番(最上稲荷HPより)らしいので、なかなか良いクジだったようです。

最近まで知らなかったのですが、最上稲荷(龍王山)は、羽柴(豊臣)秀吉による高松城水攻めの際、最初に陣を敷いた場所と伝わっているそうです。

境内の奥にある急こう配の坂道をフゥフゥ言いながら登りきると、「秀吉本陣跡」の石碑が表れます。

s-P1050033s-P1050035眼前には、吉備平野が大パノラマで広がり、思わず両手を広げて深呼吸。高い建物もなく、山と田畑が広がる風景は、当時とさほど変わっていないのかもしれません。正面には高松城跡が見え、ここから秀吉軍が作戦を練っていたのかと思うと、感慨深いものがありました。

その後、沼地の要害に守られた備中高松城を攻めあぐねている秀吉に、軍師・黒田官兵衛が「水攻め」を進言します。この進言を取り入れた秀吉は、指揮するのに都合のよい石井山に本陣を移したと伝えられています。

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吉備平野を一望できる展望台には、「高松城水攻め」の昇り旗が。
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中央の大鳥居の右側に備中高松城跡、大鳥居の左側に秀吉が本陣を移した石井山が見える。

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謹んで新年のお祝いを申し上げます。

s-DSCF5523新しい希望の年が明けました。おごそかな空気に、身体がピリッと引き締まるようですね。

目の前に広がるまだ真っ白な一年間…。そこに何を描くかは自由です。日々、感動し、感謝し、みなさまと共に学んでいきたいと思います。今年も何卒、よろしくお願い申し上げます。