第3期5月講座を終えて

5月も終わり、まさに夏のような陽気になってきました。皆様も急な気温の変化には十分お気をつけください。さて、5月講座にご登壇頂いたのは、博物学者・作家の荒俣 宏 先生です。演題テーマは『たぬきの博物学』でした。

講演内容は、「大きな神様と小さな神様」「狐と狸」のこのふたつのセットは、昔から、文化的に日本人のDNAに残っている起源への関心からではないか?などなど、興味深いお話をたくさんしていただきました。

「だいだらぼっち」という関東平野を一人で作ったとされる、大きな神様の話。筑波山に座って平野を作りながら、ご飯にと、東京湾に手を伸ばし、ハマグリなどを捕って食べる。その貝殻で陸地も作っちゃった。これが貝塚ですよ。

「狐と狸」の話。このふたつは人間以外の主要人物(動物)。古くからなぜこんなに親しまれたのか?始まりは能かららしいんです。元々は神事だった狂言が、自分達が楽しむ猿楽・田楽へと変わっていった。その後、江戸の終わりから明治にかけて、全盛だった講談によって広まっていったんです。

5月講座のオープニング・タイムは「悠久」のお二人に演奏していただきました。尺八は夫・大萩康喜さん、箏は妻・大萩絵理さんのご夫婦ユニットで、尺八の音色と箏の響きが、見事にマッチした素晴らしい演奏でした。

舞台を飾るお花は来場者に抽選でプレゼントしています。

次回、6月18日(日)は国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン先生です。「モーリー流 変わりゆく時代との調和」がテーマです。興味深く、そして面白いお話が聞けると思います。